2024年ももう12月。残りわずかとなったところで、どんな本を読んだのか振り返りをおこなってみました。
今までは年間100冊読んでいましたが、現在は少しスローペースになっています。たくさんの本に触れることは楽しいのですが、なかなか感想をじっくり書く機会が取れないんですよね。私はじっくりと本の感想もまとめたいので、以前よりスローペースになっているなと感じています。
それでも、月に3冊以上は手に取ってきました。そんな出会いのあった本達の中から、特に印象深い!と感じている本を3冊紹介します。皆さまにとっても、少しでもお役に立てば嬉しいです。では、紹介しますね!
「人はどう老いるのか」(久坂部羊)
まず1冊目は「人はどう老いるのか」(久坂部羊(くさかべよう))。著者の久坂部さんは医師であり、作家さんです。お父さんも医師でした。その父がすごく変わった方で、医師なのにまったく病院にかかろうとしないのです!病にかかっても、自分で対処をする父。そんな父を見て、人が老いていく様子と現在の医療体制の問題提起について、すごくわかりやすく書かれています。
久坂部さんは、高齢になると人間は皆体がおかしくなるといいます。去年までの幸運を喜ぶべきで、いつまでも無症状のままが当たり前と思うほうが間違っている。「老い」にはつらいこと、悲しいことが多い。どのようなことが起きるのかが具体的に書かれています。
「老い」について心の準備のある人は、ある程度受け止められるそうです。しかし、心の準備のない人、すなわちいつまでも元気でいられると思っていた人は、「なんでこんなことに」とか「こんなことになるとは」と、よけいな嘆きを抱えるので、反応性のうつ病になる危険が高まるとのことでした。
また、知症の介護をはじめるなら、認知症の人が起こすトラブルをできるだけたくさん、できるだけ最悪なものを想定内にして、心の準備をすることが肝要とのこと。すなわち、認知症の予習です。親が認知症になることはあまり考えたくないけれど、最悪を考え、心の準備が大事なのだとわかりました。
そして、医療体制の問題についても触れています。病院は、収益を生むためにどうしても過剰な検査になることがあるそうです。患者さんも、医者に頼ろうとする人は少なくありません。それは、専門家に頼れば安心という幻想があるからではないでしょうかと久坂部さんはいいます。医療も医学も必ずしも万能ではないし、当てにしすぎると裏切られることもあるということを忘れないほうがいいという言葉が、すごく心に残りました。
高齢になると直面する可能性のある延命治療の説明もありました。胃ろうやCVポートで引き延ばされる命は、当人にとっても家族にとっても過酷なものだそうです。下の世話から床ずれ予防、喀痰の吸引、あちこちの 疼痛ケア、関節拘縮の予防に清拭、口腔ケア、唾液の誤嚥防止。胃ろうから入れた流動食の逆流予防など。これも考えたくないことだけれど、「胃ろうかCVポートをしなければ、このまま亡くなります」と言われたらどうする?ということについて、前もって考える必要があるのだと思いました。
今は「人生100年時代」といわれていて、長生きするのが当たり前のようにいわれています。元気である前提で、プラス面ばかり謳われていますが、メディアのいうようなプラス面ばかりみていてはいけないということがわかります。人は誰しも老いるもの。将来に役立つ1冊です!
睡眠こそ最強の解決策である(マシュー・ウォーカー)
2冊目は「睡眠こそ最強の解決策である」(マシュー・ウォーカー)です。寝ることは大事とよく言われますが、どうして大事なのかが書かれており、睡眠について理解を深めることができました。
人はどうして眠くなるのか?その理由は、「アデノシン」だそうです。脳内では「アデノシン」と呼ばれる化学物質が、起きている間ずっと増えていきます。脳内でアデノシンが増えると、眠りたいという欲求が高まってくるため、この現象を「睡眠圧」といいます。
カフェインをとると、眠気が覚めるとよくいいますよね。これは、カフェインにはアデノシンから出る睡眠信号を消す性質があるため、眠気を覚ますことができるのだそうです。カフェインは、摂取してから5~7時間は残り続け、コーヒーだけでなく、ダークチョコレートやアイスクリームなどにも含まれているそうですよ。
また、レム睡眠、ノンレム睡眠という言葉をよく聞くのではないでしょうか。レム(REM) とは、「rapid eye movement(素早い眼球の動き)」の頭文字。レム睡眠が素早い眼球運動があり、夢を見ている睡眠のことをいうそうです。およそ90分ごとに入れ替わるのだそうですよ。レムの意味は何なのだろうと思っていましたが、「素早い眼球の動き」だったのですね。
どうしてレム睡眠とノンレム睡眠を繰り返すのかというと、記憶の整理をするためだそうです。脳は睡眠をとることで、記憶スペースの容量不足という問題を解決しています。そして、深いノンレム睡眠の時間が長いほど、翌朝のテストの成績がいいそうですよ。睡眠をとったほうが成績がよくなるということが科学的に証明されているのですね!
睡眠と健康の関係も深くなっています。睡眠が6時間以下の人は、7~8時間とっている人と比べて、5年の間に冠状動脈の硬化が始まる確率が2~3倍になるそうです。睡眠時間が短くなると、肥満にもなるとのこと。満腹感を知らせるホルモンである「レプチン」の分泌が減り、食欲を刺激する「グレリン」と「エンドカナビノイド」の分泌が増えるのだそうです。レプチンが減って満腹を感じなくなり、グレリンとエンドカナビノイドが増えて食欲が増す。睡眠不足だとダイエットに励んでもよい結果につながらないそうですよ!我が夫に伝えたい情報です。
そして、睡眠不足はガン細胞を成長させるともいわれているそうです。夜勤のある仕事には発ガンの危険があるとのこと。そもそも、ガンと診断されたら不安で眠れなくなるのが普通だよなとも思いますが、病にかからないようにするために、日常的に睡眠を取ることが大事なのですね。
「睡眠時間」は、眠るための時間を含めて7~8時間が必要だそうです。布団に入ってから起床までが6時間の場合、実際に寝ている時間は5時間くらいかもしれません。私自身も、しっかり時間とって布団に入らなければ!と思いました。子供にもしっかり寝てもらうことが大切ですね。睡眠の大切さを伝えていきましょう!
気になる子の偏食(西村 実穂、水野 智美)
最後の3冊目は「気になる子の偏食」(西村 実穂、水野 智美)です。これは、我が家の長男がすごい好き嫌いが多く、このままではまずい!と思って手に取った本です。子供の食わず嫌いや偏食に困っている方に参考になるのではと思います。
まずは、偏食への対応の5つの原則が書かれています。
①食べない原因を考える
②スモールステップで取り組む
③強制しない
④変化を少なくする
⑤少しでもできたら褒める
私にとって特に印象深いのは①と②と⑤でした。ちょっと深掘りしていきますね。
「①食べない原因を考える」では、「子供によって食べない原因は異なるので、何が原因で食べようとしないのか、まずは考えてみてください」とのことでした。長男が食べずに残すとき、どうして食べないのかと思いはしましたが、具体的な原因までは考えていなかったんですよね。
そこで長男に聞いてみると、「口の中の食感が嫌だ」とか「見た目が嫌だ」とか具体的な嫌なところを話してくれました。本によると、偏食気味の子には感覚に異常がある場合があるそうです。そう考えると、長男の味覚は、通常よりも少し変わっていて、同じようには感じられないのかもしれないと思えるようになりました。私にとっては大したことはないと思っていることでも、本人にとっては苦痛に感じることがある。感覚の違いのせいなのだと思えたことで、少し大らかに考えられるようになりました。
続いて「②スモールステップで取り組む」では、「米を食べれない場合、4分の1の大きさの米粒を食べるように勧め、それが食べられたら、次の週は2分の1の大きさの米粒を食べるという小さなステップを積み重ねていきます。」とありました。こんなに小さなステップなの!?ということにびっくり!あまりに小さくしておくと、もっと頑張ろうよという気持ちになりますが、一気に無理に食べさせるのではなく、少しずつがいいのだなと理解できました。
そして、「⑤少しでもできたら褒める」です。「偏食の改善に失敗しているケースのほとんどは、褒めていないことが原因です。」とあり、「食事の場に座る、食事、食器を持つなどのことができたら褒めるのです。少しでも食べようとする行動ができたら大げさに褒めてください。これを繰り返すことによって食べたら褒めてもらえる、もっと食べようと食べる量や回数が増えていきます。」とありました。本当?!
でも、思い返すと、確かに私は褒めるなんてしていませんでした。どうしてみんなと同じように食べられないのか、せっかく作ったのに残すのかという悲しみのほうが大きくて、ちょっとでも食べれたら褒めるなんてまったく思いもしなかったのです。
そこで、試しに長男にやってみました。苦手なトマトを小さく切って置き、それを少しでも食べれたら大いに褒めてみました。すると、その後は小さいものであれば以前のようにふてくされたり、ヤダヤダいうことなく、口にするようになったのです!やっぱり人間、褒められると嬉しいもの。小さなことでも褒めていくことが大事だと学びました。
最後に印象的なのは、「どうせ食べないと考えて、偏食の子供専用の食事を用意するのはやめよう」ということです。「一生懸命作ったってどうせ食べない」と考えて、子供が食べられるものだけを与えていると、偏食を改善する機会がなくなり、大人になっても偏食が続くことになります。子供が食べないとわかっていて、食事を作ったり配膳したりする事は大人にとって負担かもしれないけれど、食べるきっかけがないと、食べられるようにはなりませんとのこと。
そうなんですよ。食べないとわかっている食事を配膳することは、私にとってはすごく負担です。だって、せっかく作ったのに、食べてもらえないのですから。それが嫌で、私はそもそも長男のお皿に苦手なものは乗せない方向になっているのだと思います。長男が不快な態度を取るのも、見ていて嫌な気持ちになります。
それでも、長男に配膳をしないと、そもそも食べるきっかけがないまま大きくなることになります。これを続けていたから、中学生になっても苦手なものが多いままになっているのだと思います。これからは、苦手なまぐろなどの刺身、トマト、ピザなどなども、とりあえず長男のお皿に配膳するということをやっていきたいと思います。
中学生まで大きくなってしまっては、個人の意思があるので食べようとしないことが多いと思います。けれど、家にいられる期間もあとわずか。大学生になったら家を出て行く可能性もあるので、それまでの間はできることをしていきたいなと思います。
偏食気味のお子さんをお持ちの方にとっては、参考になると思います。是非手に取ってみてくださいね。
2024年の本の振り返りと来年の読み方
今年読んだ本を振り返ると、やっぱり健康に関する本を多く読んだように思います。人生100年時代といわれていますが、自分が元気でないと楽しい時間を送ることができません。心も身体も元気でいるためには、それが整えられる環境が必要ですよね。
2024年はKindleアンリミに加入して読んでいましたが、2025年はKindleアンリミから少し離れて、自分が読みたい本を購入して読んでいくことも検討しています。Kindleアンリミに加入していると、ついその中から無理矢理選んでしまうのですよね。本の出費がどうなるのかを見ていきながら、自分の満足度とあわせてみていってみようと思います。
みなさんはどんな本を読みましたか?もしおすすめがあれば教えてくださいね。
よろしければ1クリックで応援よろしくお願いいたします!
お読みいただき、ありがとうございました!